光る道
それが、私たちが交わした最後の言葉だった・・・





ピーピーピーピー!!



心電図モニターの異常を知らせるアラームが鳴る。




見ると、由香の心拍数が異常に下がってる。




「先生に連絡して!」




そう叫んで、病室へ走る。



入ると、由香はもう、息をしてなかった・・・



今日の担当は、いずみ。初めて経験する彼女は、ボーッと立ってる。




私はソッと



「呼吸の止まった時間、記録して。」


と言った。




友人の死。


でもこれは仕事なのだ。




外でモニターを見てたスタッフが、心拍数が0になったのを、そっと伝えにきた。




「心臓も止まってしまったようです。今、先生を呼んでいます。」




家族にそう告げると、みんな一斉に泣きだした…




「由香・・・ がんばったね・・・」




私はそう言いながら、まだ温かい由香の手を握った…

< 46 / 228 >

この作品をシェア

pagetop