光る道
冷蔵庫を開ける足取りが、ふらついてる。



「大丈夫? ふらついてるよ。」



笑いながら私が言う。



「あー… 結構飲んだかも…」



ペットボトルを開けながら、彼が続ける。



「今日、ごめんな。 お前の事ちょっと話したら、達也が会わせろってうるさくて… 結局奈々までついて来て…」




「来るのは、いいんだけど。 私の事、なんて言ってたの?」




「いや… 別に… 家政婦がいるって。 そんな大した事言ってないよ…」




妙に慌ててる。あやしい…



「そう。噂の、とか言われたから気になって… 
ねぇ。奈々さんに、ちゃんと言っといてね。」




「何を?」




水を飲みながら、のんびり聞いてくる。




やっぱり気付いてないんだ… 


彼女の気持ち…




「心配するような事は、ないからって、彼女に言ってあげて。」




「は? あいつが何心配すんの?」




「気付いてないの?」




「何を? 俺、夕希が言ってる事も、さっぱり分かんない。」




この鈍感男!!


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