光る道
オペ室から呼び出しがあり、産婦さんをストレッチャーに乗せ、家族と共にエレベーターの前に立つ。





「相沢さん。保育器どうしますか?」




カウンターから声をかけられる。




「後で降ろしてくれる? そっちの事よろしくね。」



残るスタッフに返す。




「どうしたのかな…」




声のする方を見ると、撮影スタッフの人が数人、こっちを見てる。





私は産婦さんの姿を隠すように、立つ位置を変えた。




「あの… 大丈夫でしょうか…」




不安な表情の産婦さんが、私を見つめる。




「大丈夫ですよ。 赤ちゃんもがんばってますから、お母さんもがんばりましょうね。」




私は笑顔で彼女の肩に、手を置いた。





でも心の中で願った。





どうか赤ちゃんが、元気に泣いてくれますように・・・・





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