光る道
「なぁ… 子供つくらない?」



彼が、いたずらな目をして言う。




「はっ? 何よ、いきなり!」




「子供欲しくなったなー… すげーかわいかった…
なっ! 俺らも作ろうよ。俺の子供、産んで!」




急にテンションの上がった薫は、私に抱きつこうとする。




「ちょっ! 待ってよ!」



私は近づいてくる彼の胸を、両手で押し返した。




「今度付き合うのは、二十代が良かったんじゃないの?」



少し怒ったように言ってしまった。





また、じゃれてくる…


今日赤ちゃんを見て、気分が盛り上がっただけだよ・・・


やっと気持ち切り換えたのに・・・



もう私の心、揺らさないで・・・





「まだ・・・ 怒ってる?」



彼の胸を押し返したまま、うつむいている私に、彼が優しく声をかけた。





「最初のキス… 忘れたふりした事。」




「えっ?」




思わず顔を上げると、優しい目で見つめられた。




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