光る道
「うん? なに?」




抱きしめられながら、彼の腕を握る。




しばらく私の首すじに顔をうずめていた彼は、顔を上げ、小さく息を吐いた。





「酔いざましにシャワーあびてくるわ!」




そう言って立ち上がり、私の頭にポンッと手をのせた。






 がまん・・・ 


 したのかな・・・・






最近こういう事が多い…




抱きしめても、キスしても、気持ちが盛り上がりそうになると、スッと離れる。




あの日だって、『もう、がまんできないよ』と言った・・・





今までだって、気持ちを押さえてくれてたのかな…




それなのに…




わたしは・・・






薫は今までと同じように、優しく笑ってくれる。




でも… 私は…





今までと同じように、笑えてない気がした・・・・



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