光る道
差し出されたのは、一枚の写真だった。




「これが、写真週刊誌から事務所に送られてきました。 本田直人の部屋に通う女性を撮ったと…
これは貴方ですか?」




渡された写真を見る。




エレベーターの前に立つ、一人の女性。後ろ姿だし、画質も悪いけど、服やバックは・・




「多分… 私です…」




「そうですか・・・」




しばらく黙ったあと、顔を上げた井上さんは、ハッキリ言った。




「しばらく、この部屋を出てもらえませんか?
この写真は、はっきりしないし、否定しました。
でもまだ、しつこく狙う事も考えられます。
成果がなければ、あっちも諦めます。それまで離れてもらえれば…
住むところは、こちらで準備しますから…」





「薫は… 香田くんは、知ってるんですか?」




しばらく写真を見つめた後、私は言った。




「いや… あいつは、まだ知りません。今はツアーに集中してもらわないと。 それに…
 あいつは、あなたが離れる事は絶対許しません。そう… 思います…」


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