光る道
それから仕事の合間をぬって、私は荷物を実家に運んだ。 薫がいない時で、ちょうどよかった…





ガランとなった自分の部屋を見渡す。



ベッドやタンスは置いていこう。一人では運べないし、誰かに頼むと目立つ…




大体済んだか・・・



いや、もう一つ大事な事が・・・




薫のスケジュールを見る。

今日は移動日。



 怒るかな… そう思いながら、メールを送った。






台所を掃除してると、携帯が鳴った。メールじゃなく、電話。



見ると、薫からだった。




私は、一回深呼吸をして、電話に出た。



「もしもし…」



「俺… 今メール見た。 どういう事?」



「私の姿、写真に撮られちゃったんだって。
で、バレるとまずいから、出る事にしました。」



「誰かに言われたの? 出て行けって。」



薫の声は、恐かった。



「ううん。自分で決めた。」



「勝手に決めんなよ!! そんな写真、どうにでもなる! 言ったろ? お前の事は、絶対俺が守るって!」


「そんな… 私なんて、守ってもらう資格ないよ…」


ダメだ… 涙声になってくる。


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