加納欄の警察手帳 シリーズ24
あたしは、ニッコリ笑うと、ロッカーへ行き着替え始めた。

パンツスタイルから、膝上10cmのミニスカート。

ニーハイタイツに、ショート丈のブーツ。

さっきまで着ていたコートをファーボレロと交換。

中身は、着替えがなかった為、そのまま。

ロッカーの奥から、幅約1.5cmのベルトを取り出すと、腿に巻きつけた。

そこに数本のナイフを挿していく。

動きの確認をし、ベレー帽をかぶり、可愛いポシェットを肩からかけた。

ポシェットは、祥子さんから頂いた物だった。

そして、吉井さんに挨拶をする。

「じゃ、お先です」

吉井さんは、いつもの格好と、見慣れない今の派手目の格好のあたしを見て。

「欄ちゃん?」

と聞いてきた。

「やだなぁ、吉井さん。私明日非番なんですよぉ。今から遊びまくりですよぉ。じゃ、行ってきまぁす」

と言って、南署を出た。

「へんな奴らに引っ掛かるなよぉ。警察の世話になるなよぉ」

吉井さんの声が聞こえた。


ヒドイデス吉井さん(:_;)


あたしそんなに、おバカなコじゃアリマセン。


「さぁてと」

あたしは、チラリと左右に目を配ると、ささっと覆面車に乗り込んだ。


見られて、ないよね?


車をダッシュさせた。

目的地は、とりあえず、鮎川さんが拳銃を無くした公園から少し出た繁華街。

横浜ほどの繁華街ではない。


聞き込みしやすい場所ではあるんだよね。


あたしは、ガムを口に放り込むとアクセルを全開にした。

40分ほどして、目的地の繁華街に着いた。

あたしは、覆面車を路地裏に止めた。

そのまま、地下のKAXの店に入って行く。

KAXは、情報仕入れる為に、およがせているギリよくない事をしているお店。

悪い事をした時点で、1発検挙だから、KAXの店長も、この御時世警察に情報を売りながら、生活している。

わざわざヒールの音を響かせながら、カウンターまで歩いて行く。

その姿を、野郎が眺める。

カウンターに着くと、何も言わずに、カクテルが置かれる。

「久しぶりじゃないですか」

KAXの店長が言った。

出されたカクテルを口にすると。


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