加納欄の警察手帳 シリーズ24
「最近、危ない玩具手にして、喜んでるボウヤがいるはずなんだけど、耳にしてない?」

と聞いた。

「……同じ奴のこと言ってるのかわかんないけど、さっきもそんな話し聞きに来た奴がいたぜ」


聞きに来た?


ここ知ってるのって。


大山先輩……?


よね……?


何しに来たんだろ?


でも、店長、大山先輩の顔、覚えてるよね?


じゃあ、大山先輩以外?


誰……?


「聞いてるか?」

と言われた。

「え?あ、ゴメン。も1回話して」

考え事してる時に、話ししていたようだ。

「……ミナトってグループの1人が、最近面白いもん拾ったからって、何かやらかすって、仲間集めてたみたいだぜ」

「ミナト?」

「あぁ、ミナトが主で集まってる野郎らだが、いつも、ミナトが主で動いてるわけじゃねぇ。個々の悪ガキが、勝手に暴れ回ってるだけだ。若い野郎だけに、手がつけられないグループだよ。噂じゃ、暴力団とも取り引きがあるって話しだ」

「暴力団?」

「……保住組だ。聞いたことあるだろ?あんたなら」


保住組……(-.-)


「ミナトは、どこ?」

「さぁな」

あたしは、万札を置くと、カウンターを後にした。

帰り道も、あたしをしつこくなめ回すような視線を感じながらKAXの通路を歩いた。

地上へ出ると、覆面車まで歩いて行った。

運転席に座り、新しいガムを食べた。


あたし以外にも、調べてる人がいる。


……ミナト。


と。


……保住組、かぁ。


う〜ん……。


保住組の組長の顔が浮かんだ。

あたしは、指をハンドルに置き、アンバランスなカウントをとる。


悩んでても仕方ないか。


確か、保住組の傘下が、この辺でのさばってたよね。


あたしは、考えながら運転をした。


鮎川さんの拳銃は、間違いなく、ミナトの仲間ってのが持ってるに違いない。


そいつらが、たまたま公園を通り、たまたま鮎川さんと同じ水呑場にいた?


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