加納欄の警察手帳 シリーズ24
と言った。

「俺も、ハエか?」

「この後の行動によるけど?近づくハエは、首にナイフ刺されて死ぬのよ」

と言って、保住の首に隠し持っていたナイフを当てた。

「…………」

保住は、ゆっくりあたしの手首と腿から、自分の手を離した。

「色っぽい声出すなよ。OKかと思うだろ」

「あれは、わざとです!ナイフ抜くのがバレないように」

「あ゛っっっ〜!!!」

保住は、やり気れない思いを、言葉で発散させていた。

あたしは、ナイフを、また腿のベルトに忍ばせた。

「……ここで何してんだよ。保住組のシマだってわかってんだろ?」

「もちろんです。だから来たんですよ。知りたい事があって」

と言うと、保住は、笑った。

「お前、相っ変わらずストレートな行動してんだな」

「な、何がです?」

「前ん時も、ストレートだったよな」

「だ、だって、ヤクザ相手に小細工したって仕方ないでしょ?!」

と、ごまかした。


先輩達じゃないんだから、小細工なんて出来ないんですぅ〜(>_<)


少しすねてみせた。

「わかった、わかった。怒んなって。何か聞きたい事があるんだろ?」

「聞いても、いいの?」

今度は、恨めしげに見てみる。

「わかる範囲で答えてやるぞ」

「ミナトって男を探してる。保住組傘下の中で、若いチンピラ風情相手に何かやってると思うんだけど」

「ミナト?」

「知ってるの?」

「いや……そいつがどうかしたのか?」

「事件の参考人として会いたいのよ。……ねぇ、この2日くらいで突然、金回りよくなったり、上納金の羽振りがよかったりする組、ナイ?」

「お前、どこで情報を……」

「あるの?どこ?」

保住は、あたしの目を見た。


簡単に言うわけがない。


裏切り行為もいいとこだ。

組を警察に売ったことになる。

しかも、組長自ら。

あたしは、保住を見つめることしか、できなかった。


言わないなら、ビルに押し入って確かめるまでだ(-.-)


保住は、なかなか口を開こうとはしない、その変わりに、顔を近づけてきた。


交換条件ってこと(@_@)?

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