君の名前


「市井の家に行くのとか、止めてほしい」


彼の声は、小さかったけれど、確かに私の耳に届いた。


「えっ?」


それでも、聞き返してしまったのは、それが予想していなかった言葉で、突然だったからだろう。


「いくら幼なじみでも、あんまり仲良くされると、俺は良い気はしない。」


今度は、ハッキリと私の目を見て彼は言った。


そして「なにもないのは分かるけど」て続ける。


< 104 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop