君の名前
「笑顔ならそれで良いって言ったけど、アイツを笑顔に出来るのは俺だけだよ」
「大丈夫、最後は俺が手に入れて見せるから」
俺が欲しいのは、彼女のたった数ヵ月じゃない。
俺が欲しいのは
「次の休み時間にまた来るな」
俺がそう言うと、木村は笑った。
「意外に強かなのね」
そんなことはない。
ただ子供なだけだ。
「まぁ、協力できることなら何でも言って?」
俺は、木村の声を背中に受けて、教室を出た。