君の名前
「そう言うなんかこう、下心ありそうな感じじゃなくて!」
「下心って。」
私がキョトンとしていると結子は「だぁから!」と言って机を叩いた。
「あんたは毎日毎日、市井くんの部屋に入り浸ってるんでしょ。で、誰かと付き合い始めれば騒いで、別れれば叫んで!っんと、自分勝手!それに文句言わずに、付き合ってくれて、しかもあんたが沈んでたら慰めてくれるなんて!!・・・愛よ。愛」
結子は、そこまでを息継ぎせずに言うと、もう一度大きなため息をついた。