君の名前
痛む
「面白かったなー」
日曜日
映画を見終わり、出てきたところで、彼は大きく伸びをした。
「そうだね」
私は、下がってきた彼の腕に自分の腕を絡ませた。
「昼でも食べよっか」
微笑むとか笑うとか言うよりは、にやけたように表情で彼は言った。
私は、それを気にしていないふりをして、絡めた腕をさらに強く体に寄せた。
「久瀬くん、何食べたい?」
私が聞くと「綾香は?」と逆に聞きかえされた。