君の名前


「あー、じゃあ」


彼は、少し悩むと値段設定が少し高めのファーストフード店の名前を言った。


「良いよー」


私はそれを快く受け入れた。


別に、高いお店に連れていってもらいたいわけではなかった。


ただ何となく、それが彼の中での私の価値を表しているような気がするのだ。


誕生日やクリスマスに貰うプレゼントの値段よりも、こういう日々のデートの方が私には重要だった。
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