君の名前


「あっ、家ここなんだ」


彼の話を遮って、私は自分の家の前で止まった。


「そっか」


彼も止まり、私たちは手を繋いだまま向かい合った。


彼が手を話しそうな気配はなかった。


「綾香、」


もう完全に夕日は沈み、私たちを照らすのは、私の家のカーテンから漏れる淡い光と、少し先にある外灯の控えめな明るさだけだった。
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