君の名前
離す


「悪い、邪魔したか?」


俺は、彼女にではなく久瀬に向かってそう聞いた。


「いや、平気」


久瀬は、そう言って笑い、彼女の肩を自分の方へ寄せた。


それは、あからさまな牽制だった。


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