君の名前


目の前にいる子が、今にも泣き出しそうな顔で走り去っていくのを見ながら、それでも俺は彼女のことを想っていた。


彼女も、あんな風に頬を染めて誰かに思いを伝えたのだろうか。


間違いなく、それは俺の知らない彼女だ。








「・・・・綾香」


俺は、裏庭に独り立ちながら、彼女を想った。


< 81 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop