君の名前


久瀬は、一瞬驚いたような顔をして、けれどすぐに眉をしかめた。


「幼なじみとして、とか聞いてんじゃねぇ」


「あぁ、分かってる」


久瀬の顔は、余裕なんて言葉は似合わないくらい、苛立ちに歪んでいた。


一方俺は、怖いくらいに冷静で、自分の体温がどんどん下がっていくのを感じた。






「でも、俺が綾香のこと聞いたときには、そんなことっ」


俺は、自分の眉が自然に歪むのを感じた。


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