俺は君の…
コンッコンッ!
前方の窓ガラスを叩く音が聞こえて振り向く。
「……大輝!?」
窓の向こうには大輝がいた。
カラカラッ!
窓を開ける。
料理部のみんなが大輝に気付き始め、黄色い声をあげる。
なのに……。
「なんか騒がしくね?でも女の子ばっかの部活だとおしゃべり多いだろうし普通か?」
だなんて言う大輝。
……ちょっとは自分がモテるって自覚してくんないかなぁ?
「……ま、いいけどね。大輝、どうしたの?」
料理部が活動してる家庭科室は一階にあり、グラウンドからは程近い。
でも、部活中に大輝がここに顔を出すことなんてなかった。