俺は君の…
「愛梨!お待たせ。」

大輝が子供みたいな顔で家庭科室に顔を出す。


そこで黄色い声がまたあがったのは言うまでもない。



「大輝、足ちゃんと手当てした?」

「したって。愛梨みたいに不器用じゃねぇし。」

「な……不器用って。」
「前なんて包帯ぐるぐる巻きにされたし?」
「うっ……。」

だって、包帯巻くの初めてだったから。



「自分でやるって言ったのに、『私がやる!』って言い張るからやらせたのに。」

「うぅ……。」



大輝はいつもサッカーで傷だらけ。
大輝は私のこと心配するけど、私だっていつも心配してるんだよ?
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