俺は君の…
愛梨がその男にごめん、と手をあわせてからこちらへやってくる。その顔が笑顔だったので、少しホッとした。

「大輝君!どうしたの?」

「いや…今日部活休みになったから、愛梨も部活休んでくれれば一緒に帰れるかなって。」

俺がそういうと、愛梨は困ったような顔をする。

「…ごめん、今日はもともと部活は休むはずだったんだけど、委員会の仕事があるの。」

「委員会?」

愛梨が委員会に入ってたなんて初めて聞いた。

「図書委員なの。何ヵ月かに一回係が回ってきて、一週間放課後に図書室にいなきゃいけないの。」

言ってなくてごめんなさい、と愛梨が続ける。
< 44 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop