零～ZERO～

だけど、お客の8割は、隙あらばｾｯｸｽをしたがる。
高い金を払ってｿｰﾌﾟに行くより、安く済むからなのか。
させない為に、女にも技が必要になる。
"素股"だ。
ﾛｰｼｮﾝと自分の手を使って、ﾍﾟﾆｽを挿入しているかの様に、手と腰を使う事だ。

女が不利な体勢があり、女が下になると、うっかり挿入されてしまう。

ﾛｰｼｮﾝが嫌いな客も居るので、前もって使って良いか聞かなければいけない。


そんな説明を早川から聞きながら、実践していたら、気付いたら、早川は私の中にﾍﾟﾆｽを入れて来た。

普通のｾｯｸｽを、し始めていた。
私は、性欲が無いので、感じているふりと、大柄な早川に押し潰されそうになって、苦しい声が混ざって、喘いでいた。

すると、その声を聞いた早川は、個室から声が漏れない様に、私の口を手で塞いでﾋﾟｽﾄﾝし続けた。

性欲が無い私だけど、感じているﾌﾘをしながら、手で口を塞がれるのって、ｽﾘﾙがあっていいかも…。と、冷静に考えていた。

早川は、私の、お腹の上に射精した。


ｼｬﾜｰ内ﾌﾟﾚｲという、これもﾛｰｼｮﾝを使ったﾌﾟﾚｲもある。
ﾛｰｼｮﾝを使った、立ちﾊﾞｯｸ素股だ。
これで射精する客も居れば、嫌がる客もいるのだが、一応やっておかないと、ﾌﾟﾚｲが終わった後の客のｱﾝｹｰﾄに書かれてしまうので、仕方なくやった。

そのｱﾝｹｰﾄ用紙も早川が作った物で、項目が細かく書かれている。点数も、つけられる。


その、ｼｬﾜｰ内ﾌﾟﾚｲを教えてくれないまま、早川は眠ってしまった。


そこから、私と早川の関係が始まった。
恋人でもない、遊びの様な、お互いの寂しさを埋める関係。