零～ZERO～

貴矢との出逢い

風俗を始めて、3ヵ月半位たった頃。

2人の固定客が付く様になった。
つまり、私を指名して、指名料として別料金を払って来てくれるのだ。

その内の1人は、私より、少し歳上位の人。
いつも、この店の最大時間90分で来てくれる。
私の風俗の出勤は、週2日しかないのに、2日の内、どちらかは、来てくれる。


もう1人は、おじさん。
ﾌﾟﾗｲﾍﾞｰﾄな事は聞けなかったので、結婚しているのかは、分からない。


最初に私が、その歳上位の人に逢った印象は、
"何か、おどおどしてるけど大丈夫なのか？"
だった。


個室に入っても会話が、殆ど無い。私も話し上手ではないので困った。
どうしよう…つまらない思いさせてる、私…。
そんな感じだった。


でも、
『攻めて欲しい。』
と言われたので、自分が出来る限り、攻めるだけ 攻めたら、とても悦んでいた。


時間がたって、ｻﾖﾅﾗした後、あの人つまらなそうだったな…。私とは合わないと思って、もう来ないだろう…。
そう思っていた。


でも、それから必ずと言っていい程、週2日来てくれる様になった。私は驚いた。


この業界に入ってからと言うもの、
『必ずまた来るからね！』
と言う奴が2度と来なかったりするﾊﾟﾀｰﾝばかりなのを知ったのに。

その人は、必ず来てくれるのだ。


でも、ご対面すると相変わらず、おどおど緊張している。
不思議な人だな…。


でも、それだけ来てくれるのだから、話しは段々出来る様になって来た。

私は、
『最初、つまらないと思って、もう来てくれないかと思ったよ。』
と言ったら、
『店のﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞの写真を一目見て、惹かれて逢いたくなったんだ。
それで、本物の梢ちゃんを目の前にすると、緊張しちゃって…。』

なるほど、そういう訳だったのか。