零~ZERO~
私は逆に、貴矢に嫌われる様な事ばかりした。

例えば、
『あの高層マンションから落ちたら即死で、ぐちゃぐちゃになるかな。』
『私は、早く死にたい病だ。』
とか、
更には詞音の事とか。



貴矢は、そんな意地悪を言う私に全く嫌な顔ひとつしなかった。

どうして…?
何で、こんな私を好きなの?
リストカットして、OD(クスリを大量に飲む事)して、鬱で、風俗やってるのに…。


その時の私は貴矢を、どうしても受け入れられず、気の強い女を演じ、自分を隠していた。

貴矢は、本名を教えてと言って来るが、どうしても言えなかった。



また、裏切られるのが怖いから。

人の言葉には、裏があるという癖。
人を簡単に信じないという癖がぬけなかった。





7年の傷は、深い




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