零~ZERO~
私は、とてもじゃないけど、今日は貴矢と同じ布団で眠りたくなかった。

無言でカーペットに横になった。

何もかも忘れたくてクスリを沢山飲んだ。
何を飲んだのかさえ、覚えていない。



それを見た貴矢は、
『風邪引いちゃうから一緒に寝よう?
お願いだから…。』

私は、もう顔も見たくないし、話しもしたくなかった。



薄れていく意識の中で、貴矢が私に布団を沢山掛けてくれているのが分かった。
それでも私は、泣き止まなかった。


貴矢は諦めて、1人寝室に行った様だ。



私が、ずっと泣いていたのがピタッと止んで、私が死んだんじゃないかと思って、慌てて私の脈を取りに来たのは、覚えている。



その時は、このまま死ねたら…。
そう思ったけど、クスリの量が全部足りないまま、朝を迎えた。
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