零~ZERO~
貴矢は、私が通うクリニックに、いつも一緒に付いて来てくれる。
『大丈夫だから。』
と言っても、
『俺がそうしたいからいいの。』
そう言ってくれる。
いつもの曜日、いつもの時間、いつもと余り変わらない先生との会話、いつもと同じ、減らないクスリ…。
病院代も貴矢が払ってくれる。
名前を呼ばれ、貴矢は、いつもの様に待合室で待っている。
先生は、
『どうですか、調子は?』
の一言で、大体始まる。
私は、ちょっと気になる事があったので、話してみた。
『はい…。
ここの所、家事とか夕御飯が作れない日が前より酷くて、数日続いているんです…。
彼に申し訳なくて。
お金の面でも色々面倒見てもらっているし、余計罪悪感で落ちるんです。』
この先生は、私が同棲して引っ越す事、環境が変わる事に対して、ダメとは言わなかった。
むしろ、良い事なんでは…と、言っていた。
だけど…。
『零さんは、出来なかった分を、出来る時に取り返そうと、頑張ってまたその反動で落ちてしまう。
全部やらなくていいのに、完璧にやろうとしてしまう。
彼に対しての自分の立場を考えて、日々、申し訳無い気持ちでいるんですね。』
それは、前から貴矢とも話していた事でもある。
貴矢は、
『じゃあ"料理嫌なら"作らなくていいよ。』
と言う。
嫌なんかじゃない。
"出来ない"んだ。
その違いを分かってもらえない。
鬱病になってみないと、本人しか分からない事だ。
"作らなくていい"
"何もしなくていい"
それだと、私は何の為に貴矢の側に居るのか分からない。
だから、出来る時に、やり過ぎてしまう。
出来なくなる前に、沢山やれる時にやってしまうのだ。
加減が分からないのだ。
『大丈夫だから。』
と言っても、
『俺がそうしたいからいいの。』
そう言ってくれる。
いつもの曜日、いつもの時間、いつもと余り変わらない先生との会話、いつもと同じ、減らないクスリ…。
病院代も貴矢が払ってくれる。
名前を呼ばれ、貴矢は、いつもの様に待合室で待っている。
先生は、
『どうですか、調子は?』
の一言で、大体始まる。
私は、ちょっと気になる事があったので、話してみた。
『はい…。
ここの所、家事とか夕御飯が作れない日が前より酷くて、数日続いているんです…。
彼に申し訳なくて。
お金の面でも色々面倒見てもらっているし、余計罪悪感で落ちるんです。』
この先生は、私が同棲して引っ越す事、環境が変わる事に対して、ダメとは言わなかった。
むしろ、良い事なんでは…と、言っていた。
だけど…。
『零さんは、出来なかった分を、出来る時に取り返そうと、頑張ってまたその反動で落ちてしまう。
全部やらなくていいのに、完璧にやろうとしてしまう。
彼に対しての自分の立場を考えて、日々、申し訳無い気持ちでいるんですね。』
それは、前から貴矢とも話していた事でもある。
貴矢は、
『じゃあ"料理嫌なら"作らなくていいよ。』
と言う。
嫌なんかじゃない。
"出来ない"んだ。
その違いを分かってもらえない。
鬱病になってみないと、本人しか分からない事だ。
"作らなくていい"
"何もしなくていい"
それだと、私は何の為に貴矢の側に居るのか分からない。
だから、出来る時に、やり過ぎてしまう。
出来なくなる前に、沢山やれる時にやってしまうのだ。
加減が分からないのだ。