零~ZERO~
簡単に言う彼が信じられなかった。


また私は、裏切られるんだ…。そう思った。



家までの帰り道、私は貴矢と距離を置いて、ゆっくりと歩いた。


混乱していた。
そうした方が正しいのか。

先生は一体、何を言いたいのか。

先生にも裏切られた気がした。



お互い無言で家に着いた。


同じ部屋に居たくなくて、私は暗い寝室へ向かった。




……私は、何で生きているんだろう。


人に迷惑しか、かけてないのに何で生きているんだろう……。




しばらくすると、貴矢が寝室のドアを開けた。


『絶対やってると思った。』
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