Believe~奇跡の鼓動~
職員室についたあたしは大和先生を探した。
このプリントものすごく難しかったんだから!
これ一枚仕上げるのに朝から今までかかってしまった。おかけで今日のノルマが溜まり放題。
絶対一言文句言ってやる。
くるりと見回すと、応接用に置いてあるソファーに座る大和先生を見つけた。
いた!!
うーん、でもお客さんかな?
あれ?でもあの後ろ姿は…
その後ろ姿が着ているのは学生服。
それに、あのさらさらの黒髪は、もしかして?
「おう、神埼!」
大和先生があたしに気づいた。
同時にあたしの方を振り返るさらさらの黒髪。
「あ、あの、プリントを」
あたしは何となくハルくんの方を見れず、先生にそそくさとプリントを渡した。
「難しかったろ。思ったより早かったな。」
先生はにっと笑った。
くっ!この確信犯め~!
あたしがどれだけ苦労したか。いやむしろこのあと苦労するか!!
「先生、わざと難しいやつ渡したでしょ!」
「いや~お前ならこのくらいのレベルがいいかなって」
「どんな基準よ!すっごい大変だったんだからね!」
「ははは、まあ、出来たんだからいいじゃん」
よしよしいい子だ。そう言って先生は笑いながらあたしの頭をぐりぐり撫でた。