Believe~奇跡の鼓動~
パカーン!
突如飛んできたボールがなぜかハルくんの後頭部に見事命中。
彼の頭がその衝撃でガクンと揺れた。
「大丈夫!?ハルくん!」
あれ!?今サーブ練習中だっけ?!
てゆーか、なぜボールが!?
「ってー……ったく、俺一応怪我人なんだけど。コントロールよすぎじゃね、那月のやつ」
「え?あ…!」
頭を抑えるハルくんと二人でコートの方を見ると、にんまりと満足げに笑うなっちゃんの姿が目に入った。
あたしと目が合うと、ピースしながらにっと笑った。
そんな悪戯っぽい笑顔にもキュンとしてしまい、あたしの顔はゆるんでしまう。
「やっぱカッコイイわ、那月は」
ハルくんの言葉にあたしは無意識に頷いていた。
うん、ほんとになっちゃんはカッコイイ。
どんな事してても様になって、その笑顔が皆を惹き付け、その視線を自然にからめとってしまう。
そんな彼がヤキモチ妬いてくれるなんて、
あたしだけに笑いかけてくれるなんて、
とんでもない優越感。
あたし、こんなに幸せでいいのかな。