Believe~奇跡の鼓動~
小城さんだった。
「いいなあ」
「羨まし~」
「あたしも実行委員やりたかったあ」
女子達からの羨望の眼差しが向けられる。
「よ~し、全役員きまったな!」
牛津先生が黒板の名前をメモしだしたときだった。
「先生!」
「なんだ?嘉瀬?」
「役員同士がかわってもいい?」
みんながなっちゃんの方を振り返った。
「うーん、そうだな、お互いの同意があればよしとしよう。
嘉瀬、誰かと変わってほしいのか?」
「いや、俺はこのままでいいんだ。
ねぇ、小城さん!図書委員と変わってやってくんない?」
「…え!?図書委員って、あたし!?」
「そ!あかり、一緒に実行委員やろーぜ。てわけで、小城さん頼む!」
女子の視線が痛い。360度から突き刺さる視線がコワイ。
この状況に気づいているのか、いないのか、おかまいなしに、なっちゃんは小城さんと交渉を続ける。
「いいわよ。私、図書委員ならやってもいいと思ってたし」
小城さんがあっさり承諾すると、一気にクラスの女子からブーイングがとんだ。
「そんなのズルイ!」
「なら、あたしだってやりたい!」
「はい!あたし実行委員やる!」