Believe~奇跡の鼓動~
変えられない過去
放課後、波乱の役員決めが終わり、あたしは今、部活へと急いでいる。
「やっぱり那月くんとなんかあるんじゃないの!?」
という、クラスの女子達からの怒涛の質問責めを、花菜がうまくかわして逃がしてくれた。
明日からのクラスでの生活を思うと少し憂鬱だけど、あたしには花菜がいるし、付き合ってる事は誤解だし、たぶんなんとかなるだろう。うん、大丈夫。
まったく、まだ4月も始まったばっかりだっていうのに、今年は前途多難だなあ。
ーーっ!
その時だった。急に夢から覚めたように、『現在のあたし』の意識が甦ってきたのだ。
「そう、確かこの頃だ。あの役員決めが終わって何日かたってから…。
なんとかしないと、なっちゃんが!」
あたし、なにをぼんやりしてたんだろう。せっかく過去にいるのに。
『現在のあたし』なら、なっちゃんを助けてあげられる。
あたしは部活へと向かう足を早めた。