Believe~奇跡の鼓動~
取り残されたあたし達は、しばらくその場合にたたずんでいた。
「ハルくん、何かに気づいたのかな」
あたしはもう一度さっきの名簿を思い出した。
生徒や先生の名前が書かれていた。視聴覚室、社会科準備室に理科準備室。後は、図書準備室だったかな…
そう言えば図書準備室の鍵を借りてたのは、小城さんだったな。心よくあたしと役員を替わってくれて、仕事もしっかり勤めている。頭もいいし、綺麗だし、物腰は優雅で、男子にとっては高嶺の花。彼女に憧れる一年生も多いとか。
「あ!」
あたしは思わず叫んだ。
「ど、どうしたのあかり?」
「小城さんが図書準備室の鍵を借りてた時間、午後8時だったよね?」
「ああ、たぶん?」
「なら、もしかしたら誰か怪しい人とか見てるかも!!
真犯人が何らかの方法で部室の鍵を持ち出したとしたら、そのころのじゃない!?」
「あるかも!!」
「行こう!!」
あたし達は再び走り出した。