Believe~奇跡の鼓動~
二人は夕暮れの中庭にいた。
誰もいない放課後の中庭で見つめあう二人。
はたから見れば、大川君同様、告白と勘違いしてしまいそうなシチュエーションだ。
でもあたしは、それが違うことを知っている。
あたしはふわりと宙から二人に近づいた。
今の状態のあたしが誰からも気付かれないのは体験済みだ。
二人のすぐそばに降り立つと、わずかな明かりに照された二人の表情がみてとれた。
ハルくんの、いつになく真剣な眼差し。
小城さんは、いつも通りの落ち着いた表情だ。
「それで?話ってなに?多賀城くん」
「那月の件で。思い当たることあるだろ?」
「?なんのこと?」
「今回の、部室の火事騒ぎだよ」
「ああ、クラスの皆が騒いでたやつね。嘉瀬君のタバコが原因とかなんとか。
でも、それとあたしと何の関係が?」
「あるだろ」
「はあ?」
「いやむしろ、あんたが那月をはめたんだろ?」
その時、小城さんの顔にほんのすこしだけど動揺の色がみえた。
「なに言ってるか全然わからないわ。
そんな話なら、もう失礼するわ、じゃあ。」
「逃げんなよ。」
ハルくんが素早く立ち去ろうとした小城さんの手首を掴んだ。
「痛い!離してよ!」
「お前、自分のせいで那月が今どんな事になってんのか、わかってんのか!?」
誰もいない放課後の中庭で見つめあう二人。
はたから見れば、大川君同様、告白と勘違いしてしまいそうなシチュエーションだ。
でもあたしは、それが違うことを知っている。
あたしはふわりと宙から二人に近づいた。
今の状態のあたしが誰からも気付かれないのは体験済みだ。
二人のすぐそばに降り立つと、わずかな明かりに照された二人の表情がみてとれた。
ハルくんの、いつになく真剣な眼差し。
小城さんは、いつも通りの落ち着いた表情だ。
「それで?話ってなに?多賀城くん」
「那月の件で。思い当たることあるだろ?」
「?なんのこと?」
「今回の、部室の火事騒ぎだよ」
「ああ、クラスの皆が騒いでたやつね。嘉瀬君のタバコが原因とかなんとか。
でも、それとあたしと何の関係が?」
「あるだろ」
「はあ?」
「いやむしろ、あんたが那月をはめたんだろ?」
その時、小城さんの顔にほんのすこしだけど動揺の色がみえた。
「なに言ってるか全然わからないわ。
そんな話なら、もう失礼するわ、じゃあ。」
「逃げんなよ。」
ハルくんが素早く立ち去ろうとした小城さんの手首を掴んだ。
「痛い!離してよ!」
「お前、自分のせいで那月が今どんな事になってんのか、わかってんのか!?」