Believe~奇跡の鼓動~
ハルくんのこんな怒声を、あたしは初めてきいた。
「…そこまで言うんなら、あたしが嘉瀬君をはめたって証拠、あるんでしょうね!?」
小城さんはキッとハルくんを睨んだ。
いつもの小城さんとは違う激しい口調。なにより、その目の冷たい鋭さにあたしは驚いた。
「証拠は、ない」
「ほら見なさいよ!当たり前よ!あたしはそんな事してないんだから!!
嘉瀬君がやってないなら、他の部員が吸ってたんでしょ。
なんの関係もないあたしを巻き込むのはやめてくれる?」
彼女はハルくんのてを振り払い、勝ち誇った微笑みを浮かべた。
「証拠はない。
でも、那月はタバコなんて吸ってないし、俺達もやってない。
あの火事は、あんたがやった事だ。」
「だから」
反論しようとした小城さんを遮るように、ハルくんは言葉を続けた。
「あの日の夕方、あんた図書準備室の鍵借りたよな?」
「え、ええ。図書委員の仕事があって」
「じゃあ、その後8時にまた借りたのは?」
「あ、あれは、忘れものしたからよ!準備室に忘れものをしたのに気付いて、それでもう一度いったのよ!
それに、だいたいそれが何の関係があるっていうの!?あたしはただ図書準備室の鍵を借りただけじゃない」