Believe~奇跡の鼓動~
「あかり!」
教室に入ると、すぐに花菜が駆け寄ってきた。
「花菜。」
「もう大丈夫なの!?保健の先生なんて!?」
「いや…なんか寝不足だったみたいで。
心配かけてごめん」
「もうー!ほんとびっくりしたんだから!!いきなり気失ってさあ。」
気がついたら保健室で、帰ってもいいという保健の先生を振り切って、今、あたしはここにいる。
「なっちゃんも心配してたよ。」
真っ赤になる私に、
花菜は ニッと笑った。
14年ぶりに彼に会える。
嘉瀬 那月(かせなつき)
高校に入って出会った男の子。
クラスのムードメーカーで、所属のバレー部でも目立つ存在。
当然女の子のファンも多い。
そして…私の、初恋の人。
もう二度と会えなくなったはずだった彼に、
また会える。
ちらりと黒板の上の時計に目を向ける。
授業開始直前。
私は教室の後ろのドアを見つめた。
トクントクントクン
胸が高鳴る