Believe~奇跡の鼓動~
気がつくと、あたしは保健室のベッドの上だった。
「あかり!大丈夫か!?」
ぼんやりとした視界に、なっちゃんの心配そうな顔が見えた。
「…うん。ごめん、心配かけて。」
あたしがにこりと微笑むと、なっちゃんは一瞬泣きそうな顔になり、そのまま布団の上にぼすりと顔を埋めた。
あたしはなっちゃんの頭に手を重ねた。ふわふわの猫っ毛が手に馴染んで心地いい。
よしよしと頭を撫でると、なっちゃんが埋めた顔をくりんと半分こちらに向けた。
窓から差し込む夕日が、なっちゃんのビー玉みたいな茶色い瞳を、さらにきらきら輝かせていた。
そしてあたし達は、
まるでお互いに吸い寄せられるように、
初めてのキスをした。
なっちゃんの唇は温かくて、優しくて、
触れる髪がくすぐったくて
あたしを押しつぶしてしまわないように、
なっちゃんは優しくあたしを抱き締めてくれた。
「あかり、愛してる」
なっちゃんがそっと囁いた。
“すき”が“愛してる”に変わった日。
生涯忘れえない、
あたしのファーストキス