Believe~奇跡の鼓動~
「それで千代田、あかりを閉じ込めた犯人捕まったって本当か?」
急になっちゃんと花菜の顔つきが厳しくなる。
「うん、三年生の女子のグループだった。
倉庫の方からくる所をみた子がいて、ちょっとつついたらすぐ白状したわ。」
やっぱり。あの笑い声、昨日の先輩に似てたもんな。
「ただ…」と、花菜が眉にシワを寄せた。
「ただ、そのときに“変な噂”の事でやたらしつこくて。」
「「変な噂?」」
あたしとなっちゃんは声を揃えた。
「あかりが、なっちゃんと大和先生に二股かけてるって。
だから、先生と隠れて付き合ってるあかりも処罰をうけるべきだ、とかなんとか言い出してさ!!」
「ああ!?なんだそれ!?バッカじゃねーの!!
誰だよ、そんな根も葉もない噂流してる馬鹿は!?
信じるやつも信じるやつだよ!!」
なっちゃんが怒りを露にすると、花菜もそれに同調した。
「でしょ!?ほんと、馬鹿か!って感じ。
でも、ムカつく事にこの噂、三年生の間じゃ結構広まってるらしいのよ。
結構リアリティーのある目撃情報とかもつけられてて、信じてる人も多いみたい」
「なんだよ、それ!!」
「あたしもつてを使って調べてみたんだけど、この噂、かなり良くできてる。
誰かがあかりをおとしめるために故意に流してるとしか思えないわ。」
「そんな…」
さすがのあたしも今回の事では結構堪えていた。
まったく見に覚えのない事で、こんなにも過激な嫌がらせをされて。
しかも相手は形なき噂。防ごうにも、どうしようもない。