Believe～奇跡の鼓動～

校長室をでると、あたしは大和先生の後について歩きだした。
すると、「ん？」と、先生が振り向いた。

「なんだよ神崎、なんで後歩くんだ？」

「だって、また何か言われたら嫌じゃないですか。
これ以上変な噂がたったら、先生の立場だって悪くなるでしょう？」

「んだよ、そんなの気にすんなって！
いつもどうりしてくんないと、なんか調子狂うだろ。」

「駄目です。校長先生も、お互い注意するようにって仰ってたでしょう？
これが、正しい先生と生徒の位置です。」

そういつもだったら、横に並んでふざけあいながら、(いや、からかわれながら？)歩くけど、やはりそれでは駄目だと思った。
これ以上変な噂がたったら、あたし以上に先生にはきっと厳しい処罰が下ってしまう。

「…そっか、そうだな。
でもなんか、寂しいな。」

「え？」

「先生と生徒の正しい位置か。
そうだな。確かに俺、神崎のこと特別扱いしてたかもな。」

「ええ!?」
突然のことにあたしの心臓が跳び跳ねた。
まさか先生…!?

「俺いつのまにか神崎のこと、生徒じゃなくて」

えぇえぇ!!
心拍数が一気に上がっている。