ねぇ、センセイ。
駅までの道のりをゆっくりお喋りしながら歩いていて。
「ねぇ、まっちぃ。私ね。もう少し一緒にいたいな」
届け!私の気持ち。
「帰らなきゃダメだよ。佐知子ママに約束したんだから」
う~ん。
やっぱ真面目だね。
「じゃ。またデートしてくれる?」
「う~ん。また観たい映画でもあるの?」
え?
もしかして。
はぐらかされてる?
「ねぇ、先生。今日楽しくなかった? 私また先生とこうやって会いたいよ」
「ほら。先生って呼ぶ。オレは椎名にとって先生なんだよ。分かる?
オレにとって椎名は生徒だ」
「ねぇ、先生。好き。好きなの」
考えもせず、漏れだした私の気持ちに。
「ごめん。オレには椎名の気持ちに答えられない」