ねぇ、センセイ。
ねぇ、先生。私の気持ちをそんな理由で拒絶しないで。
「ねぇ、センセイ。
私もう子供じゃないんだよ。小学生じゃない。生徒じゃない。21なんだよ。女の子として見て」
「ムリだ。ごめん」
ねぇ、センセイ。
何でそんな顔してるの?
私の歪んだ視界に映る先生はすごく辛そうで。
振られたのは私なんだよ。
この後の事はあまり覚えていない。
いつの間にかお店にいて、お酒をガブガブ飲んでたような。
佐知子チャンがすごく心配そうに見てたような。
田村さんが申し訳なさそうにしてたような。
曖昧な記憶だけ。
でも。その日から先生はお店に現れなくなった。
ねぇ、先生。
私は先生を忘れられるかな?