ねぇ、センセイ。
昇格
はぁ、はぁっ。
私は高校振りなくらいおもいっきり走った。
会いたい。
会いたい。
誤解が何だか、勘違いが何なのか、もうそんな事はどうでも良かった。
いた!!
先生は噴水のへりに腰掛けていた。
「先生!!」
私の声に気が付いて先生が立ち上がったので、
私は思いっきり抱きついた。
「先生。先生。会いたかった。先生。先生」
先生は戸惑いながらも、私の背中に手を回し、ふんわりと優しく抱きしめてくれた。
「ごめんな。ごめんな」
先生のこんな情けない声なんて、初めて聞いたよ。
「ねぇ、先生。
私ね。ずっとね。ずっと寂しかった。悲しかった。
これでも一生懸命忘れようとしたんだよ。
なのに何で?
何で抱きしめてくれるの?」
私は先生の腕の中で顔だけ上げた。
まだ先生は泣きそうな辛そうな顔をしてる。
「話して?
何でも受け入れるから、先生の素直な気持ちを話してよ」