ねぇ、センセイ。


「すみれチャン、ただいま~」

「あら田村さん。おかえりなさ~い」

あれ?
常連の田村さんの後ろに人影が見えて。

「お友達も連れて来てくれたんですか?」

ひょっこり、
のれんの隙間から顔を出したのは…

「えっ? えー!! 町田先生!?」

「は? 先生って?
……………?
すみれ…?
椎名か?
あの椎名すみれか?」

「は、はい!! 多分その椎名です! 6年2組だった、椎名すみれです!!」

キャ~!!
小学校の時の担任だぁ。私の初恋だった先生。
今もかっこいい、かっこいいよ~

「ご無沙汰していますぅ。先生ってば、相変わらずかっこいいですね!!」

つい興奮して、要らぬ事までベラベラと喋べる私に。

「ぶっはぁ。やめろよ恥ずかしいだろ。椎名、お前酔ってるのか?」

なんて言う先生の顔は、ほんのり赤い。

「お前らが知り合いなのは分かったから、早く中に入れてくれよぉ」

わざとらしく拗ねてみせる田村さん。

「すみませ~ん。田村さん。さっ。どうぞ中に入って。ね?先生も」

私は2人をカウンターに案内した。

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