裏表プリンス



静かな空間に水の流れる音が響く。

さっきまで五月蝿く鳴っていた鼓動も何時の間にか治まっていた。


煉も食事を終えたのか、食器をシンク脇に控え目に置き洗い終えた食器を丁寧に吹き上げ私を手伝う。

ぶっちゃけこの状況、何話したら良いかわからないんですけど。



「あ、明後日で春休みも終わりだね」

「……そうだな」

「何かあっと言う間だったなー。でも何だかんだ楽しかった!!きっと煉のお陰!!」



本当、1週間経つの早かった。

でもそれは煉と一緒だったから、好きな人と過ごしてたからだって思う。


『別に俺は何もしてねぇよ』って煉は言ったけど、1人でこの1週間を過ごしてたらきっと長く、寂しく感じたと思う。



「ううん、煉が居て呉れて良かったよ!!有難……う……!!」



突然視界が暗くなった。

抱き締められてると理解し顔を上げると、重なり合う私と煉の唇。



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