裏表プリンス
「昼飯何処で食うのー?」
「食堂。てか離れてよ、ウザい」
「莉紗ー、伊桜が冷たいー!!」
「こっち来んなバカ那智」
莉紗にも拒否られて廊下の隅でイジケ出した那智。
何か那智って犬みたいだな……。
私は那智の隣にしゃがみ込み、肩を軽く突っついた。
「那智も一緒に来る?食堂」
「行……く、行く行く!!伊桜優しいマジ大好きー!!」
「ぎゃー!!何すんだボケー!!」
「阿呆くさ、先行くよー」
ギャーギャー騒ぐ私と那智を置いて莉紗は先に食堂へと向かってしまった。
再び抱き付いて来た那智を押し退けて私は莉紗の後を追い、私の後を那智が追う。
食堂に着くと席は殆ど埋まっていて、私と莉紗と那智がピッタリ座れる分しか席がなかった。
那智に飲み物を買いに行かせ、食券を引き換えに行った莉紗を待ちつつ、私はお弁当を広げる。