裏表プリンス

１つ１つゆっくりと見逃さない様に名前を確認していく。

そして見付けた好きな人の名前｡そしてその少し下に私の名前と､１番同じクラスになりたくない奴の名前。


マジ､あり得ないんだけど……。



｢あ､今年も王子と一緒じゃん｡……あとバカ那智も｣

｢え!?そんなに俺と同クラ嫌なん!?てか伊桜は何処ー？｣

｢ココに居るっつの!!｣



私をキョロキョロと探す奴の額にデコピンを喰らわせると､私に向けられた那智の目が見開いた。


あ､驚いてる……って当たり前か｡那智も私が髪色変えた事知らないんだもんね。

未だ口をパクパクとさせる那智に背中を向け､新しい教室に行こうと足を宙に浮かせた瞬間引き寄せられた私の身体。



｢可愛いー!!やっぱ伊桜はお人形さんみたいだなー｣

｢離せバカ那智っ!!｣

｢わー……私の前で堂々と何してんの？そんなに別れたい？｣

｢あ……ゴメン莉紗っ!!もうしねぇから許して……!!｣



２人の会話に若干ついていけない私は上履きに履き替えながら２人を交互に見る。