裏表プリンス
「へ?どゆ事?」
「あ、報告忘れてた!!ウチら伊桜のお陰で付き合う事になったんだー」
「マジ!?良かったね莉紗っ!!」
教室へと続く廊下を歩きながらキャーキャー話に花を咲かせる私達。
莉紗は入学した頃からずっと那智が好きでずっと相談を受けてきた。
だけどその肝心の那智が私にベッタリだったから、ずっと私も莉紗も那智が好きなのは私だと思い込んでた。
那智に求愛される私をからかってた莉紗だけど限界だったらしく、春休みにフラれ覚悟で告ったら今までの那智の行動は莉紗の気を惹く為のものだったらしく両想いでした、みたいな。
「紛らわしい事してンじゃねぇし!!」
「スイマセンスイマセンー!!」
「所で伊桜の方はどうなの?」
突然投げられた莉紗の質問に那智をバシバシ叩く私の手がピタッと止まる。
チラッと向けた視線の先にはニヤニヤしながら私を見る莉紗。
絶対に煉との事を聞いてるよね?絶対そうだよね?そうに違いない。
「伊桜もちゃんと両想いになれたの?」