裏表プリンス
唯一私の好きな人を知っている莉紗。
コレは絶対に答えないとずっと答えるまで聞かれるパターン。
爽やかな笑顔の裏に黒い何かを漂わせる莉紗と、苦笑いを浮かべる私。
「え、何?伊桜好きなヤツ居んの?」
私達の睨めっこで続く沈黙をヘラッとした口調で破る那智もとい、バカ。
そーそー。と那智に説明を始める莉紗。
名前は伏せているものの、本性とオモチャだった事以外を包み隠さず一気に話す彼女をヒヤヒヤしながら見詰める。
すると私の背後を見て一瞬ニヤついた。
「で、その相手がね……」
ニヤついた儘な莉紗の言葉と同時に優しく後ろから抱き締められた。
振り向かなくてもわかる、私の後ろに居るのは……
「おはよう、伊桜」
「煉!!お、おはよ……!!」
王子スマイルを私に向ける煉。
流石に周りに沢山人が居るから本来の性格は出ていない。
何だか新鮮……。