裏表プリンス



艶やかな笑みと共に発せられた言葉。

その意味を理解するのに少し時間が掛かり、理解したと同時に顔がこれでもかと言うくらい熱くなった。



「ま、見せる積もりねぇけどな」

「馬鹿っ、当たり前でしょ!!」

「でもあんま俺を妬かせるなよ?次はキスで止まれる自信ねぇから」



そう言って私の手を取り再び大通りへと出ると、煉は私を家まで送り中に上がる事なく帰っていった。

部屋に着きベッドに横たわって、思い出すのはさっきの出来事。


キスで止まれる自信ないって……何しようとしてんだかあの変態!!

でも何時も余裕の表情しか見せない煉がヤキモチ妬いて呉れて嬉しいと思う私。



「何か煉、子供みたいで可愛かったなー」



なんて言ったらきっと煉の事だから『お仕置き』とか言って何かされるんだろうなー、と思いながら携帯を開く。

データフォルダを開きホームルームの時にこっそり撮った煉の写真を見て、さっきまで一緒に居たのにもう煉に会いたいって思ってしまう。


早く明日になれば良いのに。

こんなに明日が来るのが楽しみなのは初めてかもしれない。



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