裏表プリンス
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翌朝、何時もより少し早めに家を出た。
しっかりとドアを閉めていると、隣の寿々原家からもドアの開く音。
視線を音のした方に向けると、そこには私と同じ学校の制服を来た男の子。
彼は私に気付いたのか、こっちをみて柔らかい笑みを見せる。
「おはよう御座居ます」
「ど、どうも……。同じ高校なんですね」
「みたいですね!!あ、学校までの道がわからなくて……一緒に行っても良いですか?」
駅へと続く道を並んで歩きながらそう私に尋ねる彼。
昨日はあまり見てなかったけど、寿々原くんってアイドル系の顔をしてて学校ではかなりモテそうな感じ。
「そう言えば寿々原くんは何年ですか?」
「2年です、楠原さんは?」
「うっそ、私も2年!!じゃあ敬語で話す必要ないね!!あ、私の名前は伊桜」
「そうだね、俺は苑。学校でも宜しくね」
互いの名前を教え合って握手を交わし、私達は学校へと向かった。